JR東海によるとリニア中央新幹線開通により、品川から名古屋間の移動所要時間が70分である。2027年開通予定だが、それは後ろ倒しになりそうである。
しかしながら、リニア中央新幹線が開通されれば、周辺の住宅や新駅周辺の再開発等は大幅に進むであろう。
(国土交通省の資料より)
それでは各駅周辺の状況をみてみよう。
【神奈川 (橋本駅)】
相模原市緑区に位置する橋本駅周辺に神奈川県の駅が出来る。すでに工事は進んでいる。
相模原市のホームページによると、南口周辺で開発を予定しているが、何かの事業計画はたっていないようだ。以下 相模原市ホームページより
北口地区は、市街地再開発事業などによって道路や駅前広場などの整備が進んでおり、橋本都市拠点地区と橋本大山町地区についても計画に沿った整備事業が完了しています。
これらの地区については指定容積率の活用や商業系の土地利用も進んでおり、拠点的市街地の形成が進んでいる地区となっています。
南口地区については、リニア駅の設置計画に伴う相原高校の移転後に向けたまちづくりの検討が進められており、相原高校用地の活用とともに、リニア中央新幹線の建設や圏央道相模原インターチェンジとの近接性を生かした拠点的市街地の形成が求められています。
また、平成27年7月に国の都市再生緊急整備地域「相模原橋本駅周辺・相模原駅周辺地域」が拡大され、相原高校用地を中心とした南口地区及びその周辺が新たに指定されています。
こうした点を踏まえ、駅南口の周辺は重点的に検討が必要な地区とし、特に、土地利用計画の検討が急がれる南口地区は、リニア中央新幹線の開業を見据え、「優先的に土地利用を図る地区」として検討していきます。(相模原市ホームページより)
【山梨県 (大津町周辺)】
山梨県のリニア予定駅は甲府市大津町を予定している。のどかな田園地帯なので、再開発というよりは開発という言葉が合っている。既存駅とのアクセスも悪く、マンション等の住居中心の再開発になりそうである。
(山梨県 リニア駅前整備の在り方より)
長期的な視点にたてば大きな開発計画がうまれるかもしれない。いづれにしても開発の事業計画等は見当たらなかった。
【長野県 (飯田市)】
平成29年に飯田市が作成したリニア駅周辺整備基本計画によると、リニア新駅から飯田町市街地まで3km離れているようだ。また、他の県と同様に具体的な開発事業等は存在していない。
(飯田市 リニア新駅周辺整備基本計画)
【岐阜県 (中津川市)】
岐阜県中津川市が新駅予定地であるようだ。山梨県、長野県よりも名古屋に近く、山梨県、長野県よりも具体的な構想が作られている。こちらも何か具体的な開発計画等はない。
(岐阜県 中津川市リニアのまちづくりビジョンより)
このようにリニア中央新幹線予定地の駅では、都市計画は準備されつつある。
しかしながら、具体的に事業が予定されているものは見当たらなかった。おそらく、JR東海の工事計画があまり進んでいないので、建築計画等も進んでいないのではないだろうか。
では、こういった計画があまり進んでいない新路線周辺の不動産投資への価値はないのだろうか。
東京においても、新路線開通がなかなか進まなかったことがある。2008年に開通した「日暮里舎人ライナー」である。
この都営新路線開通以降、マンションが建ち、住宅価格を引き上げ、田園がのこる街並みが住宅街へと変わっていった。
地価を見ると
平成18年 2006年 足立区江北5丁目(新駅予定地から400m地点)土地の㎡単価は
200,000円
令和3年 2021年 足立区江北5丁目(新駅予定地から400m地点)土地の㎡単価は
288,000円
と約44%上昇している。
リニア中央新幹線の規模は当然ながら日暮里舎人ライナーの比にはならない。
今後も投資先として注目していくことが必要である。