不動産価格に金利が与える影響

アメリカの住宅ローン金利が7%代と

日本とはかけ離れた金利差で推移しているわけであるが

直接関係のない地域で起こった出来事ではない。

1986年から5年ほど続いた日本のバブル期において

日本の住宅金利は8%台にまで上昇している。

(東京新聞 記事画像引用 https://www.tokyo-np.co.jp/article/218353)

バブル期における金利上昇と不動産価格の推移、背景については

また別で取り扱うが

日本の現在の住宅ローン金利は

現代金融システムがこの世に誕生してから

世界で最も低い金利だと言っても過言ではない。

0.2%台である。

住宅ローンを使える日本居住者は

金利と不動産価格の関係を念頭に置き考える必要がある。

単純に不動産価格が近年上がっているからと価格だけでみてはいけないという話である。

例えば

1億円の住宅を0.298%で35年ローンを組み購入した場合

総支払額は1億532万であり利息は35年で532万円である。

(諸費用や変動金利の諸条件は一旦なしとする。)

支払い総額1億532万を前提に

日本のバブル期の8%で組むと

物件価格はいくらまでのものが買えるか?

3500万の物件を35年ローン8%で組むと

総支払額は1億441万となり

上記のケースとほぼ近似値となる。

物件価格で3倍ほどの差になる。

少し大袈裟に感じる方もいらっしゃるかもしれないが

同じ日本で実際にあった事例であり

半世紀以内のことである。

このことからも昔の物件や安かったけど今は高いと言えないのである。

2024年3月に日銀の金融政策決定会合で

2007年以来の利上げが決まり

8年及ぶマイナス金利の終了が発表された。

市場の混乱を招かないよう段階的に金利を上げていく方針が

発表され緩やかに金利は上昇していくと思われる。

何十年か後に振り返った時に

昔は金利が0.2%台の時代があったんだよと

言われる日が来るのもそう遠くないだろう。