東京の不動産が値上がりしている。それに伴い、こんな声を耳にし、こんな記事をよく目にする。
「いつか値段が下がる。」「オリンピックが終わり、コロナもあって、ついに東京の不動産バブルがはじける。」といった意見だ。本当にそうだろうか。各国の不動産価格の上昇について調べた。
日本不動産研究所の調査によると下記のようになっている。
【2010年から2021年10月まで各都市のマンション値上指数】
2010年時の価格を100にした場合
東京 116.1
北京 223.7
香港 163.9
台北 123.1
ニューヨーク 135.0
ロンドン 139.1
上記の都市での比較において、東京は過去10年間で最も値上げ幅が小さく、他国の都市と比べると、東京の不動産における、価格上昇は、決して不動産バブル的なものとはいえず、最も安定的に上昇を続けている都市といえるだろう。
つまり、不動産価格の上昇は世界規模で起きており、価格上昇の原因はオリンピックが行われた東京だけに限られないのである。こういった社会情勢の中で東京の不動産価格だけが下がるとは考えにくい。インフラ、経済規模等含めても東京は世界に誇る大都市であり、仮に東京の不動産が暴落しても、世界中の投資家やファンドが東京の不動産を購入するであろう。
次に東京という街が世界的にみてどれくらい魅力があるか考える。
世界の主要48都市を対象に、各都市の「総合力」を経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスの6分野から評価した都市力ランキング(「世界の都市総合力ランキング(Global Power City Index, GPCI)財団法人森記念財団都市戦略研究所)によると、東京は6年連続、第3位となっている。東京は上記六項目のうち環境以外全て10位以内に入っている。(環境は17位)
世界都市力ランキング(財団法人森記念財団都市戦略研究所)より
さらに、計画されている都市開発も東京は多い。東京トーチタワー、虎ノ門・麻布台再開発、新宿西口、高輪ゲートウェイ、東京名古屋間を結ぶリニア中央新幹線開設等、多くの再開発が予定されている。
今後も東京の不動産は上昇を続けるであろう。世界的にみて魅力ある街であること、再開発等により都市機能がさらに上昇するからである。では、再開発によってどれくらい不動産価格が上昇するのか。それは次回解説する。こうご期待!
【まとめ】
①東京の不動産は価格が上昇しているが、世界的にみるとバブル的とは言いづらい
②都市機能として世界的にみても上位である
③今後も再開発が多く予定されており、投資リターンにも大きな影響を与えるであろう